BMW 120i インプレッション、最後は「走り」です
走り出してすぐに感じるのは、車体剛性の高さ。
荒れた路面でも、ボディのヨレをほとんど感じない。
フロントのラジエーター・グリルから見えるのは、
車体剛性を高めるためであろう、スタビライザー。
こういった補強構造が、高い剛性感を作っているのでしょう。
ブレーキの効きはとても強力。
下りの峠道でも信頼できる制動力を発揮してくれます。
一方、土砂降りの雨の中では、著しく効きが甘くなったと
感じることがありました。
そして、これはブレーキのせいかどうか分かりませんが、
停止間際のコントロールが非常に難しい。
停まる寸前のショックを感じることなく、すうっと停止させたいのですが、
それができるのは稀。
ほとんどは、わずかに「ガクっ」っとショックが出てしまいます。
3つの走行パターンが選べる、ドライビング・パフォーマンス・コントロール。
エンジン始動後は、デフォルトで真ん中の「コンフォート・モード」になります。
発進加速時は、2000回転くらいでシフトアップしていく感じ。
早めのシフトアップだけでなく、ガソリンの供給も制御しているのか、
少しダルい感じの加速感です。
街中走行では、一般的な車の加速感と同じような感覚で走ることができて、
普通に運転ができる感じです。
エコ・プロ・モードは、燃費を重視したモード。
走行特性の他にもエアコンもエコを重視した制御をします。
このエコ・プロ・モード、街中走行ではアクセル踏み込み量に対する
パワーの出方がダルすぎて、48rider 的には使い物になりません。
このモードを使うのは、高速道路だけにしています。
最もスポーティな走りになるのが、スポーツ・モード。
このモードは、エンジン特性が別物のように豹変します。
シフトアップ時の回転数が上がるだけでなく、
ガソリン供給制御もベストな状態にして、強力なパワー感を
引き出しているものと思われます。
峠道のスポーツ走行は、このモードで決まり
一方、街中走行ではムダにエンジン回転数が上がり、
交通の流れに合わない走りになってしまいます。
すなわち、燃費もよくないワケで、街中で使う意味はあまりなさそうです。
この図は、カタログに掲載されているエンジン・パワー特性。
(クリックすると拡大します)
1500rpmから4500rpmの通常使用域の間で最高トルクを出すという
フラット・トルク特性。
この特性が、アクセル開度に対してリニアで強力なパワーを発揮し、
結果として、コントロールしやすく、気持ちのいい加速感を
生み出しているのでしょう。
峠道を走ると、このクルマの楽しさが分かります。
前の愛車ロードスターは、軽量、ショートホイールベースの特性を活かして、
クイックな感覚でヒラヒラとコーナーを駆け抜ける感じ。
それに比べると 120i はさすがに1.4t の重量からくる慣性を感じますが、
サーボトロニック付きのバリアブル・スポーツ・ステアリングの効果か、
FRらしい素直でクイックなハンドリング感覚。
そして、がっちりとした車体と、固めだけれどもダンピングがほどよく調整された
M Sport サスペンションで、抜群の安定感で旋回することができます。
8速オートマチックの仕上がりは秀逸。
マニュアルシフトだったらここまで回転数を引っ張ってシフトアップ、
という感覚と同じ回転数でチェンジしてくれます。
音でシフトアップ/ダウンが分かりますが、ショックはまったくありません。
マニュアルシフトを操作する楽しさは奪われましたが、
強力なエンジンパワーと、強靱な足回りで、峠道を走る楽しさは
ロードスターのときとまったく変わりありません。
もちろん、高速道路はロードスターよりも静粛ではるかに快適。
購入して4か月でもう1万キロを超えました。
同クラスの日本車よりも高い買い物ですが、
所有する喜び、運転する楽しさを与えてくれるBMW のクルマ作りの哲学は、
とても共感できて、充実した車生活を楽しんでいます
参考燃費情報
※満タン給油時に計測した燃費です。
・平均燃費 13.2 km/L (10,000km走行)
・最良燃費 15.1 km/L (主に高速道路走行)
・最悪燃費 8.6 km/L (主に通勤に使用)
終わり
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